今後日本で円安傾向が続くと考えられるのは何で?

日本円の価値が下落していくイメージ 未分類

前回の記事で「今後日本では円安とナショナリズムの浸透のダブルパンチでインフレが進む」という話をしました。でも、何で今後も円安が進むと考えられるのでしょう?今日はその理由ついて話をしていきます。今回も非常に重要な内容となりますので、ぜひ最後までこの記事をお読みください…

「日本が利上げすると日米金利差が縮まって円高になる」って本当?

今世の中では、「今後日本銀行が政策金利を上げていけば(利上げすれば)、アメリカの政策金利との格差が縮まって円高になる」という考えが広まっています。なぜ「日本とアメリカの金利差が縮まれば円高になる」と考えられるのでしょうか?その根拠として挙げられるのが「キャリートレード」と呼ばれるものの存在です。

キャリートレードとは

金利の低い通貨で資金を調達し、高金利の通貨に換えて運用することで、両通貨の金利差による利益を得る手法

のことです。簡単に言うと…

  1. 日本の政策金利が0%なら、日本円で借金をしても返すときに利息がかからない
  2. 日本円で借金をして、それを金利3%の米ドルに換えれば、両替して得た米ドルを持って銀行に預けるだけで年3%の利息がもらえる
  3. ジャンジャン日本円で借金をして米ドルへ両替して、金利差で儲けよう!

と考えた世界中の為替トレーダーが、こぞって日本円で資金を調達して米ドルに両替して運用する…ということが起こっています。日本円で借金をした後に何らかの理由で円高になったら、借金を返すときに為替差益で損をするリスクはあります。しかしドル円相場が大きく変動しない状況、または借金後にドルが高くなっていく状況であれば、キャリートレードは旨味の大きいトレード手法になります。

キャリートレードで日本円が売られ、米ドルが買われ続ければ、当然円安になりますよね。逆に日本が利上げをして日米間の金利差が縮まれば、キャリートレードの旨味が弱まってキャリートレードが減っていく → 日本円が売られなくなる → 円高に向かうだろうと考えられているのです。

でも、これって本当でしょうか?実際、日本の政策金利がゼロ金利から0.75%まで上がった(令和8年1月現在)、さらにアメリカの政策金利も少しずつ下がってきているのに、ちっとも円高になってませんよね。日本の政策金利が上がって短期的には円高方向になったことはありますが、長期的にはむしろじわじわと円安が進んでいってます。

実は、キャリートレードが減っていって円高方向への圧力が強くなる一方で、円が売られて円安方向へ向かう圧力も強まっているのです。いくらキャリートレードがなくなっていっても、それ以上に円が売られていけば、当然ドル円相場は円安方向へ向かっていきますよね。

日銀の利上げでなぜ円安?実は多くの人が見落としている「円売り」の正体

では、日本の政策金利が上がるとなぜ円安圧力も強まるのでしょうか?それは…

国債の価値が下がるから

です。国債とは「国が資金を調達するために発行する借用証書」のようなものです。国債にはお金を借りる期間と利息が定められていて、国債を買った人は日本にお金を貸している間決められた利息を受け取りつつ、満期になったら(定められた期間になったら)貸したお金が全額戻ってくるという、かなりお得な金融商品として扱われています。

話を元に戻すと、日本が政策金利を上げることによって、すでに市場に出回った日本国債の価値が下がります。だって、金利0.25%の時の国債を持っていて、その後日本が政策金利を0.5%に上げると、その後に発行される国債を買えば金利0.5%になるわけですから、誰も0.25%しか金利をもらえない過去の国債を持ちたいとは思いませんよね。「日本国債を買う」とは「日本円を買って日本政府に貸す」ということなので、日本国債が買われれば円の価値が高まって円高方向に向かいます。逆に国債が売られれば円の価値が低くなって、円安方向へ向かいます。

今、日本政府の借金は1000兆円を超えると言われてます。言い方を変えると、これは「1000兆円超の日本国債が発行されている」ということを表します。これらの発行済み日本国債が今後利上げによってどんどん価値を下げていって、それを嫌がった国債保有者が国債を売りに出したらどうなるでしょう?1000兆円が一気に動くということは考えられないにしろ、とてつもない金額の日本円が売りに出されるわけですから、キャリートレードの手仕舞いのための円買い圧力を超える円売り圧力がかかり得るのは容易に想像できますよね。なので、日銀が利上げを進めていくごとに長期的な円安傾向となるのは、実は十分に想像できる結果なのです。

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